布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の新婚生活が始まった。商店街に出かけた布美枝は、引ったくりにあってしまうが、貸本屋の女主人・田中美智子(松坂慶子)が捕まえてくれる。
10年前から赤羽に住む姉の暁子(飯沼千恵子)が訪ねてきた。新居のみすぼらしさや、茂(向井理)の様子を見て心配した暁子(飯沼千恵子)は、実家に連絡しておくと言うが、布美枝(松下奈緒)は心配をかけたくない、頑張るから黙っておいてとお願いする…
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第5週(第25~30回):花と自転車
布美枝(松下奈緒)商店街の貸本屋に入ると、この前ひったくりを捕まえてくれた田中美智子(松坂慶子)が、生活に困ってひったくをした原田(中本賢)を店に雇い入れていた。
浦木(杉浦太陽)が、売れない漫画家の中森(中村靖日)を連れて来て、住まわせてほしいと頼む。家賃という固定収入が確保できると考えた茂は、中森(中村靖日)を住まわせることにしてしまった。
布美枝(松下奈緒)は茂(向井理)の暮らし厳しいことがわかってきた。ある日散らかり放題の茂(向井理)の仕事部屋を掃除するが、強く怒られてしまった。
仕事の事でイライラして言いすぎてしまったと反省した茂(向井理)は自転車を買って帰ってきた、その贈り物に布美枝(松下奈緒)は感激する。
自転車で調布の深大寺に出かけた二人、お互い何も知らずに結婚したふたりにとって、初めてのデートであった。次第に夫婦らしくなっていく布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)だった。
第6週(第31~36回):アシスタント一年生
布美枝(松下奈緒)と茂(向井理)の調布の家に、偶然読んだ茂の漫画に感動した、売れない漫画家の戌井(梶原善)が訪ねてきた、貸本漫画の問題を語り合った。布美枝(松下奈緒)は「こみち書房」で、茂(向井理)の漫画のファンの太一(鈴木裕樹)と出会う。
調布の家にやってきて「少年戦記の会」の事業を始めようと茂を誘う浦木(杉浦太陽)。戦記漫画の読者を対象に、会報の発行、会員制の通信販売を始めようというのだ。戦争が終わって16年、茂の描くリアルな戦争漫画は流行りではない、と諭すが、茂は、自分の戦争体験に根ざしたリアルな戦争を描くと決めていた、そして布美枝(松下奈緒)は茂(向井理)の口からはじめて戦争体験を聞くのであった。
浦木(杉浦太陽)の発注した粗悪な通信販売商品のせいで返品が相次ぎ、「少年戦記の会の運営は行き詰まっていた、その時「墓場鬼太郎」の再開を求めるハガキや手紙が富田(うじきつよし)の会社に届き始めていた。富田(うじきつよし)は「墓場鬼太郎」の再開を決断する。
魂を込めて原稿用紙に向かう茂の姿を見て、布美枝(松下奈緒)は何か自分にもできる事は無いかと考える。原稿締め切りの前日、茂(向井理)から原稿の一部にペンを入れてほしいと頼まれ、布美枝(松下奈緒)は茂(向井理)と肩を並べ「鬼太郎」をともに仕上げていく。
2週間後、無事「鬼太郎」は発行し、長編連載化も決まったのであった。
第7週(第37~42回):消えた紙芝居
布美枝(松下奈緒)は、出来上がった茂(向井理)の本を宣伝するうち、言う機会を逃していた自分が“水木しげるの妻”であることを美智子(松坂慶子)や商店街の奥さん達に知られることになった。
茂の漫画は刊行されるが、富田(うじきつよし)は会社の資金繰りが苦しく原稿料を払おうとしない。家計の苦労が続くある日、ある日茂(向井理)が神戸に住んでいたころの紙芝居の師匠・杉浦音松(上條恒彦)が、訪ねてくる。布美枝(松下奈緒)は茂(向井理)がかつて神戸で紙芝居の絵を描いていたことや、水木しげるというペンネームは杉浦音松(上條恒彦)の呼び間違いからつけられた事、「墓場鬼太郎」の原案が古い紙芝居にあったことなどを聞く。
音松(上條恒彦)は何かを言いたげにしているが言い出せない。そんなとき、茂(向井理)は音松(上條恒彦)は借金まみれであり、富田(うじきつよし)は新規事業にお金をつぎ込んだせいで経営に行き詰っていて、原稿料を払う気が無という事を浦木(杉浦太陽)から聞く。
茂(向井理)はいくらかでも用立ててやりたかったが、富田(うじきつよし)のやり口に腹を立て、縁を切ってしまい、収入源がなくなってしまっていた。
恩人の為いくらかか都合しろと無茶を言う茂(向井理)に困ってしまう布美枝(松下奈緒)、嫁入りの時に持ってきたお金もわずか、お金はどんどん出ていくばかりだった。
翌日姿を消した音松(上條恒彦)を二人は探し回る。紙芝居道具を質に替えようとしていたのだった。「道具は売らんといてください…」そう言って茂(向井理)は音松(上條恒彦)はわずかながらのお金を渡す、音松(上條恒彦)はそのお金を受け取り九州へと戻っていった。
第8週(第43~48回):父の上京
布美枝(松下奈緒)は、「こみち書房」の常連客で美智子(松坂慶子)がいつも気にかけている、太一(鈴木裕樹)の失恋の現場に居合わせてしまった。太一はこの日から店に姿を現さなくなってしまった。
漫画の売り込み回っていた茂(向井理)は三海社の深沢(村上弘明)に出会う、前から茂(向井理)の漫画を評価していた深沢(村上弘明)は、「鬼太郎」の長期連載を勧める。
ある日源兵衛(大杉漣)は安来から上京し、突然、布美枝の家にやって来る。
布美枝(松下奈緒)夫婦の貧相な暮らしぶりに驚いた源兵衛(大杉漣)は、「茂(向井理)の考えを後日きちんと聞く」と言い残し去っていく。
太一(鈴木裕樹)に店に来て欲しいがために「茂が週末に店に来る」とにウソをついた美智子(松坂慶子)が茂(向井理)に店に来てくれないかと頼みに来る、美智子(松坂慶子)を案内してきた戌井(梶原善)は「店で茂と読者の交流の集いを催そう」と提案する。太一を呼び出すことができ、漫画の宣伝にもなり、源兵衛(大杉漣)に茂(向井理)の活躍ぶりを見せられて、“一石三鳥”だというのだ。
イベント当日、源兵衛(大杉漣)はイベントの盛況ぶりに安堵するが、偶然入った喫茶店で、イベントに並んでいた人は、景品につられて並んでいただけであることを知ってしまう。景品は美智子(松坂慶子)が良かれと思い勝手に配っていたものであった。貧乏なのはどうでもいい、嘘をついて取り繕ったりするのが気に入らん、と怒る源兵衛(大杉漣)であったが、「うちの人は本物の漫画家ですけん」そう言って、茂(向井理)をかばう布美枝(松下奈緒)であった。
一方、美智子(松坂慶子)が戦時中に亡くした息子を太一(鈴木裕樹)と重ねていた事を田太一は知る。太一は自分が茂(向井理)の漫画に励まされていたことを茂(向井理)に伝える。「金には恵まれてなくても人には恵まれている」「悪い時にこそ人間の値打ちが出る」その様子を見ていた源兵衛(大杉漣)は茂(向井理)のこと、茂(向井理)を信じる布美枝(松下奈緒)のことを見直すのであった。
源兵衛(大杉漣)を見送る道すがら「お父さん、お金はないけど私毎日笑って暮らしてるよ」そう言った、布美枝(松下奈緒)。「布美枝(松下奈緒)は笑って暮らしとる」そう源兵衛(大杉漣)から聞き笑顔になる安来の家族であった。
二人が結婚して一年が経とうとしていた、「鬼太郎夜話」も4冊が発売され、村井家の家計も何とか持ち直していた。