- 「忘れたもの勝ち」に抗(あらが)い自殺した亡き友の墓参りを続ける岸本
- 被害者の姉が妹の名誉と14年間の思い出を守るため、カメラの前で真実を語る
- お蔵入りとなった渾身の冤罪特集VTR、浅川が強行突破で放送へ
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2018年7月、太陽テレビ
執行された3人の死刑囚の中に松本良夫さんの名前はなかった、ひとまず安堵する木村弁護士(六角精児)と浅川恵那(長澤まさみ)
「会わせたい人がおるんですけど」ー木村弁護士は、先日木村を訪ねてきた「首都新聞」政治部の笹岡まゆみ(池津祥子)記者を浅川に紹介する。

笹岡は事件が起きた八飛市の出身であるため、政治部でありながら八頭尾山(はっとうびざん)連続殺人事件を独自に追跡取材し続けており、松本氏の事件と、この間の女子中学生の事件の関連性を疑い木村を訪ねていた「クセ強」のベテラン記者である。
彼女は大量の松本氏の事件資料を浅川達に提供してくれた。
浅川は岸本拓朗(眞栄田郷敦)と共に八飛署の刑事に会う事を決めた。
第3話・あらすじ/ネタバレ

ーー八飛市の喫茶店で事件資料を読む浅川
「当日午後6時ころ、松本良夫は八頭眉山(はっとうびざん)沿いを下校中だった被害者・井川晴美(葉山さら)さん14歳に<1万円で下着を買わせてほしい>と声をかけた。
二人はその後人目を避けるために八頭眉山の山道に入っていった。
そこで晴美さんが下着を脱ぐのを見た被告は衝動が抑えられなくなり、乱暴しようとしたが抵抗されたため首を絞めて殺害した」「被害者の晴美さん、吹奏楽部ではフルート担当、好きなもの、音楽・星…」
詳細な事件資料だった

ーー八飛署の刑事・平川勉(安井順平)
「結論としては松本良夫が犯人で間違いありません。完璧に解決済の事件ですので。ご苦労様でした」 平川は当時捜査の下っ端。正直あんまり覚えていないと言いながらも松本氏が犯人であることだけは断定する。
「え?それでなんで松本さんが犯人だって言いきれるんですか?覚えてないのに犯人に間違いないって変ですよね?」
突然、空気を読まずまくし立てる岸本。唖然とする浅川を横目に彼は引かなかった。
ーー取材の後の喫茶店
「空気読めない人って、強いよねああいう時」浅川は岸本に言った
「忘れたもの勝ち」と出世しない「墓参りに行く派」

岸本は心の中でつぶやいていた(人の生きる所必ず空気はあり、僕もそれと無縁ではいられない)
ーー岸本の学生時代の友人の『あっくん』の結婚式
(これの何がそんなに楽しいかはわからないけど、とにかくこういう時は楽しそうにするものなのだ、本当は彼らのことはそんなに好きじゃなくても)
『あっくんの』結婚式、式場で母親と友人の悠介(斉藤天鼓)と3人で食事をする岸本。
話題は明王中学時代に自殺した『カイくん』のお墓参りの話に、今でもお墓参りを続ける悠介と岸本は出世しない「墓参りに行く派」
「行かない派は要するに『あっくん』ですよ、あっくんを中心として展開される華麗なるメインストリーム、自分達の中にイジメを苦にして自殺していった奴がいた事なんて一日も早く忘れたもの勝ちなんです。
考えず、悩まず、ただ鼻を効かせ長いものに巻かれる、それが人生に勝っていくって事なんですよ」悠介は楽しそうに仲間とはしゃぐ『あっくん』とその取り巻きを横目に見ながら言った。

岸本は、松本死刑囚の取り調べをした刑事を突き止め、有名キャスターである浅川の顔で取材にこぎつけた。
松本も最初は否定したが最終的には自らの罪を認めて許してくれと言った。土下座して床に頭をこすりつけてわんわん泣きながら。と元刑事
「自分がやったといったんですか?」(浅川)
「私らがお前がやったんだなと聞いたのに、許してくれと言ったんだから、そりゃぁやったという事ですよ」この言葉を聞いた時、浅川は岸本に目線を向けた
ーー後日、テレビ局ので取材テープの編集をする浅川と岸本
そういえば浅川さんこの時俺の事見ましたよね?
「サクッと聞いてほしかったのよ、空気読まない人に、その『許してくれ』はもう勘弁してくださいって意味じゃなかったんですかって、ある日突然警察に連れていかれて、入れ代わり立ち代わり<お前がやったんだろ>と頭ごなしに怒鳴られ続けるうちに心が折れただけなんじゃないんですかって」
遺族には迷惑だろうがやはり取材が必要と、二人は遺族の家の前まできていた、だが手土産も持ってきていないので後日出直そうと話をしていると、父親からいきなり水をかけられた。
マスコミは当時毎日家を囲み「娘が下着を売っていたという噂がありますがどう思いますか」などという質問までしていた。遺族にとってマスコミは敵そのものだったのだ。
浅川がたどり着いた「消えたシャッター街の雑貨店」

喫茶店を出た浅川は、ふと目の前を通った女子学生の後をついていく、その3人はシャッター街のアーケードを通り抜けて行った。
そのシャッター街でポツンと開店している雑貨店、何かに惹かれるようにその店に向かうと、店の奥で本を読んでいる店主がいた
「こんにちは、ちょっとお聞きしていいですか、10年くらい前にこの辺で若い女性が連続して殺された事件って覚えてらっしゃいますか」
何も答えてくれないと浅川が帰ろうとした時
「藪から棒に、随分物騒な話題ですね」(店主)
「すみません、わたしく太陽テレビの…」
「その話をするなら僕はまずこの店を締めなければ、シャッターを下ろして鍵を閉め、この電気を消し、そしてあなたが聞くというのなら話しますよ」

「何か、ご存じなんですか?」(浅川)
「およそ物事はそれが語られるにふさわしい椅子を求めるものです、あなたがお知りになりたいことは、言語なんて目の粗い道具だけで救いきれるものではありませんよ」とサングラスを外し
「そもそもあなた誰なんです?」と浅川に聞いた、浅川が返答に詰まっていると浅川の携帯が鳴った。
喫茶店に戻り岸本と合流した後、もう一度あの雑貨店に行こうとしたが、なぜかその店にはたどり着けなかった「消えてる…閉まったのかも」
「やっと私が知ってる晴美が戻ってきた」 浅川の手紙が動かした遺族の止まった時間

浅川は遺族への取材を諦めず手紙を書き続けていた、父親から二度と手紙を送って来るなと怒りの電話がかかって来たが、その後被害者の姉・純夏(すみか)から電話がかかって来た。
ーー待ち合わせ、八飛市の喫茶店
晴美の姉・純夏(すみか)が赤ん坊を乗せたベビーカーを押して現れた。
両親の気持ちも良くわかるが、どうしてもわからなくて諦められずにいた、それで浅川と話をしてみようと思った。
警察からは晴美が下着を売ろうとしたと説明された。晴美は絶対そんなことしないって思ったが、残念ながら事実ですと言われた。実は両親はもう半分信じてしまっている、自分達が知らなかっただけで晴美にはそういう面があったのかもしれないと、でも自分は何が何でも信じるわけにはいかないと思ってきた、そうじゃないとあの子が私らと生きてた14年間まで無くすことになってしまう…浅川の手紙に凄く救われる気がした、やはり晴美にはもっと全然違う理由があった、そう思えた瞬間、やっと私が知ってる晴美が戻ってきてくれた気がした。
純夏(すみか)は涙ながらに語った。
「この冤罪事件は私たちの声だけでは足りないんです、もっともっと大勢の味方を集めなければならない、純夏(すみか)さんのお姿とお声は、私たちがどれだけ言葉を並べたって伝えられない事を一瞬で伝えて下さると思います」浅川は無理を承知で純夏(すみか)にインタビューを懇願した。

街が見下ろせる小高い丘の上、純夏がインタビューに応じる
「あの日『しし座流星群』が沢山見られる日だったんですよ。私も妹も星が好きで、昔からよくここで観察してて…だけど帰ってこなくて…晴ちゃん…」
ーー帰りのバス・岸本(正直ここにきて僕は自分がどれだけとんでもない事に首を突っ込んでいるかをようやく理解していた、その日僕が撮ってしまったのは、もう死んでもお蔵入りにさせるわけにはいかないものだった、でも僕らの番組は『フライデーボンボン』、頭から尻尾まで予定調和とから騒ぎ、この番組のどこにあれが入るって言うんだ…)
握り潰された浅川の執念

浅川はこのインタビューの後、別人のように黙々とやるべき事を片っ端から片づけていった、事件当時松本氏の家にいた少女、チェリー(大山さくら)のインタビューも撮った
VTRが出来上がった、番組の企画会議、プロデューサーの名越公平(近藤公園)達は難色を示す。
だが必死で食い下がる浅川に、名越は村井喬一(岡部たかし)に話を振った
「村井さんどう思います?」
村井は当然反対するだろうと緊張が走ったが
「ま、いいんじゃない」とあっさり承認する
「やればいいんじゃない?だって面白いじゃん、遺族のインタビューとか取れちゃっててさ、遺族と彼女(チェリー)が顔出してて、当時の刑事が出さないって言うね、それだけで既に相当えぐいよね」
だが名越は最終的な判断を仰ぐため放送局長に相談するといい、結局「放送不適切」とお蔵入りにされてしまった。
ーーテレビ局の屋上でひとりスナックを食べる岸本
(あぁ…正しい事がしたいなぁ…正しい事がしたいなぁ…、かつて友達をひとり見殺しにして、それでも彼らと上手くやろうとしている僕も、ママも、正しい事がしたいんだ)

浅川の家に、どうしても話したいことがあると斎藤正一(鈴木亮平)が訪ねてきた
その時浅川はお酒を飲めないのにもかかわらず、やけ酒を飲んでいた
「例の君らが追ってる冤罪事件なんだけど…」(斎藤)
「あれはもうダメになりました、局長判断で」
お酒のせいもありトイレで嘔吐した後、キッチンで泣きじゃくる浅川、斎藤が慰める雰囲気の中、二人は体を重ねた。
「あの、用事って何でしたっけ?」(浅川)
「いいんだもう」そのまま斎藤は帰っていった

ーー『フライデーボンボン』の放送日
「エナーズアイのV、ナレーション間違えてて撮り直したんで、こっちと差し替えてください」
浅川はスタッフを欺(あざむ)き、独断で「あのVTR」を送り出した
「今日のエナーズアイは…まずこちらをご覧ください」
(VTR開始、浅川のナレーション)
―今から16年前の、2002年から2006年にかけて、3人の少女の命が奪われました
スタジオがパニックに包まれた
(あの時、浅川さんは僕らみんなを置き去りに、たった一人で正しさに突っ走って行ってしまった)
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【本記事の画像引用元】
作品名:ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』/ 放送・配信:フジテレビ
備考:本記事の画像は作品の解説・紹介を目的として上記より引用し、加工を施して使用しております。

