- 公園の爆破予告と不可解な買い占め事件、真相は疎遠になった親友の犯罪を止めるため、別の罪を犯して警察の目を向けさせた少年によるものだった
- 再会したかつての親友との過去に向き合った涼子は、自身の嘘を清算し、声優の夢を追う娘を後押しする
- ルナはパスワード解錠を試み、漱石ゆかりの地・修善寺へ向かうが、直後に母から救いを求める緊急の電話が入る
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突然大学を辞めると言い出した涼子(麻生久美子)の娘の芳香(戸田彩巴)は部屋に閉じこもって話し合いに応じようとしなかった
涼子はルナ(波瑠)の店を訪れ、悩みを打ち明ける。
店ではスタッフたちが「親の金で大学に通わせてもらっているのに」と娘の姿勢を非難するような雑談を交わしていた。そこへ、店内でウェイターとして働く小湊(渋川清彦)が現れる。

小湊は起業予定だった会社を共同経営者に乗っ取られ、途方に暮れていたところをルナに救われ、雇ってもらっていると明かした。
思い悩む涼子を見てルナは助言する「子供は親に否定されるのを恐れてる、どんな自分でも受け入れてくれるってお嬢さんに信じてもらえれば、心を開いてくれるかも」
第7話・あらすじ/ネタバレ

ルナと涼子は、夏目漱石研究の権威である吉澤教授の自宅を訪ねる。
道中、公園に規制線が張られ、警察が女性たちから事情聴取をしている光景を目撃する。
吉澤邸に到着すると、ルナと涼子は吉澤教授から公園の規制線は数日前に爆破予告があり、警察が調べた結果、砂場から大量のガラス片が見つかったのだという話を聞く
そこへお茶を運んできたのは、涼子の高校・大学・実業団時代を通じてダブルスのペアを組んでいた、かつてのバドミントン仲間・さつきだった。
現在は吉澤の妻となっているという予期せぬ再会に驚く二人。吉澤教授は二人の過去を色々と聞くが、ルナはどこか気まずい雰囲気の涼子とさつきを察し、話を本題へと引き戻す。

吉澤教授はルナたちに『吾輩は猫である』の縮刷版を披露した。
当時としては画期的なコンパクトサイズと、芸術性を追求した装丁が評判を呼び、大正から昭和初期にかけて増刷を重ねた大ベストセラーである。
吉澤が所有しているのは大正9年に発行された第62版という貴重な一冊であった。
話の最中、吉澤教授の一人息子の龍之介が帰宅する。
ルナが文学の知識で謎を解く人物だと紹介されると、龍之介は唐突に謎かけを始めた
「中学生がひったくりをして捕まった。盗んだのは大量のロールパンだった。なぜそんなことをしたのか?」
ばつの悪そうな吉澤教授と妻さつき。教授が「龍之介」とたしなめると龍之介は自分の部屋に行った
「すいません、お恥ずかしい」と、教授は謝罪した
少年の不可解な行動
壁に飾られた龍之介の成長記録を眺めていたルナは、ある一枚の写真に目を留め、彼が親友の光二に誘われてダンスを習っていたことを聞き出す。
吉澤夫婦によれば、最近の龍之介は情緒不安定で、爆破予告騒動や、ロールパン、豚肉、ぬいぐるみといったものを大量に買い込んでは捨てるという不可解な行動を繰り返しているという。
そこへ警察が、爆破予告に使われた公衆電話に龍之介と酷似した少年がいたため事情を聞きたいとやって来た。ルナの機転で
「事情聴取は任意ですよね?まずは本人と家族とで話をさせて頂けませんか?後ほど、必ずご連絡しますので」とさつきは答え、警察にはいったん帰ってもらった
龍之介がルナと涼子になら話をしてもいいと言い出したため、私たちでお役に立てるならと、二人は快諾した。

そのとき吉澤家のチャイムを光二が鳴らした
「急にすいません、前を通りかかったら、警察の人が龍之介に会いたいって言ってるのが聞こえて」(光二)
「心配してきてくれたの?」(さつき)
「あ…はい」(光二)
「ありがとね」(さつき)
ルナは吉澤に、買い込んでいた物の大きさや個数を詳細に確認する
「小ぶりのもの」「ぬいぐるみ10体」「肉はスーパーの袋いっぱい」「ロールパン7〜8個」。
考えを巡らせていたルナは、お菓子を口にすると思考を巡らせる
ふわふわ…自主回収…爆破予告…砂場のガラス
「つながりました」
ルナは光二を連れ、龍之介の部屋へと向かった
買い占めの真意と、龍之介が守りたかったもの

龍之介の部屋の前で緊張の面持ちを見せる光二を後にし、ルナと涼子は先に龍之介の部屋に入る。
龍之介は、光二が来ていると聞くと「今は仲良くない」「あんなだっせえイガグリ」と素っ気なく拒絶する。
ジョバンニとカムパネルラを彷彿とさせる二人の関係をルナが指摘すると
「全然違う、俺、カムパネルラみたいなやつって無理」と、龍之介は冷たく突き放す。
「銀河鉄道の夜に出てくる登場人物、龍之介さんやっぱり文学お好きなんですね」(ルナ)
ルナはそんな龍之介に対し、爆破予告事件への関与を問いただす。
「龍之介さん、公園の爆破予告があった日の夜、外出しましたか?」(ルナ)
「俺のこと犯人だと思ってる?」(龍之介)
「少なくとも、あなたがかかわっている事は間違いないと思います」(ルナ)
「どんな動機があんのかわかんの?」(龍之介)
「わかります」(ルナ)
「どうやって?」(龍之介)
「もちろん文学の力を借りて、もし私が小説を書くとしたら、こんな展開にします」(ルナ)
ルナの推理によれば、龍之介が必死に買い占め、そしてすぐに捨てたもの(ぬいぐるみ、ブロック肉、ロールパン)にはある共通点がある。それはすべて「柔らかい」ということだ。

公園に爆破予告をした目的は、砂場に埋められていたガラス片を見つけさせることで、警察に公園を徹底的に調べさせ、安全を確保することである。
同様に、ぬいぐるみや食材を買い占めたのも、中に潜んでいた「危険なもの」が誰かの手に渡らないよう、自ら回収して廃棄するため。パンは先に他のお客さんが買ってしまったのでひったくるしかなかった。
坂口安吾先生の『明治開化、安吾捕物帖』と言う作品に、家族の秘密を守るために罪を罪で隠す手法が出てきます。龍之介さんも別の罪を隠すためにひったくりをした、爆破予告も同じ。
「危険なもの」仕込んだのは龍之介ではない、誰かが仕込むのを目撃して、それが他の人の手に渡らないよう回収した。
「同じものを回収したのは、その中のどれに入っているか判別できなかったから。そして龍之介さんがそこまでして心を砕いた相手は…」と、ルナが龍之介の部屋の戸を開けると、そこには立ち尽くす光二の姿があった。
孤独の裏返し、ルナが見抜いた少年の真実と絆の行方

光二は警察の訪問に不安を感じ、龍之介を巻き込んでしまったのではないかという恐怖から駆けつけたことを認め、泣きながらうなずいた。
事の始まりは、進学校の激しい勉強と将来への強烈なプレッシャーだった。
模試の成績不振に追い詰められた夜、ショッピングセンターで見かけた針を使い、衝動的に「絶対にやってはいけないこと」をしてしまった光二。
一度味わったそのスリルが忘れられず、繰り返してしまっていたのだ。
龍之介はその姿を偶然目撃していた。これ以上エスカレートして取り返しのつかない事態になるのを防ぐため、爆破予告でパトロールを強化させ、光二に犯罪を犯させないように画策していたのだ。
ルナは、龍之介がずっと会っていないはずの光二の現在の髪型を知っていたことで、彼が毎日待ち伏せして見守っていたことに気づいた。
距離ができた理由を問う涼子に対し、龍之介は光二への嫌悪感をあらわにする。ルナはそれを、一緒に頑張っていたダンスを光二が突然やめたことで、見捨てられたと感じた孤独の裏返しだと見抜いた。

「ならどうして光二さんを助けたんですか?大切だったからではないですか?ダンスも、光二さんと過ごした時間も。どんなに望んでもかなわない夢はあります。私にもあります、でも何かを夢見て過ごした時間、苦しんだ時間、その全てが今のあなたを作っています。だから過去の自分を否定しないで欲しい。その大切な時間を一緒に過ごした友達のことも、疎遠になった今でも放っておけなくて、あなたは彼を救おうとした、そこまで思える友達に出会えるって、奇跡です」というルナの言葉に
龍之介、ごめん、ごめん…と光二は涙を流して謝罪した。
ルナは二人の行ったことは世間を脅かし、他者を傷つける可能性があった決して許されない行為だと厳しく諭す。そして光二には心のケアのため優秀な弁護士(ルナの従兄)を紹介すると告げ、自らも警察へ行く覚悟をした龍之介に「彼を守るためとはいえ、やり方を間違えた。罪は罪です」と現実を突きつけた。
龍之介は、泣きじゃくるかつての親友を強く抱きしめた。
涼子の過去の清算と芳香の決意
ーー吉澤教授宅からの帰り道
涼子は22年前の「ウソ」について、ルナに打ち明ける。
涼子はケガをした際、ケガが治るまで待たせたくなかったためバドミントンを辞めるとさつきに言った、彼女の足を引っ張りたくないと身を引いたのだ。
「優しいウソ、和人さんと一緒だね。さつきさんは気づいていたんじゃないかな、涼子がウソをついていたこと。長年ペアを組んでてその程度のこと気づけないはずがない。涼子もさつきさんも不器用だった。龍之介さんも」(ルナ)

その後、吉澤教授から借りてきた本にくまなく目を通したが、パスワードのヒントになりそうなものはなかった、涼子にも付き合ってもらったのに申し訳ない、とこぼすルナ
翌朝、涼子の娘・芳香が、大学を辞めるという以前の言葉を撤回し本当の夢を語り出した「声優になりたい」。驚く菊雄(田中直樹)をよそに涼子はどうしてそれを先に言わないの、と芳香を後押しする。
「ありがとう、話してくれて」(涼子)
芳香は菊雄がかつて涼子の事を書いた古い雑誌を差し出した
「この記事お父さんが書いたんでしょ?私も頑張りたいんだよ、やりたいことが見つかったの。自分の声で誰かを楽しませることができたらって。大変なのはわかってるでも挑戦したい」

「いい記事だよねこれ、どんな結果になっても、やりたいことに夢中になれた時間は宝物だと思う。お母さんもやっと気づけた、あの時間を誇りに思えるようになった。今の自分を作ってくれたのはあの頃の自分だから。芳香にも好きなこと思いっきりやって欲しい。後悔しないように」(涼子)
菊雄も大学卒業という条件付きで背中を押し、芳香はダブルスクール(大学と声優学校)という険しい道へと歩み出すことを決めた。
ルナに訪れた予期せぬ事態
ルナの店で、涼子はルナに新たなパスワードの仮説を提案する。
『吾輩は猫である』誕生の地、千駄木の住所を試すが解錠には至らなかった。残されたチャンスはあと3回。
ルナは、漱石が療養した修善寺(しゅぜんじ)温泉へ向かう決意をし、さつきから預かっていた連絡先を涼子に託した。

涼子はルナが教えてくれた「大切と思える友と出会えることは奇跡」という言葉を胸に、さつきとの再会へと向かう。
(ママは言った、大切と思える友と出会えることは奇跡だと。ママもさつきも私の奇跡だ)
その頃、修善寺へと向かう道を行くルナの元に、母・美里(石野真子)から一本の電話が入る
「お願い、助けて。すぐ来て」 と訴える母親だった
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【本記事の画像引用元】
作品名:ドラマ『月夜行路』/ 放送・配信:日テレ
備考:本記事の画像は作品の解説・紹介を目的として上記より引用し、加工を施して使用しております。




