- 涼子が探し続けた和人は、23年前がんの余命宣告を受け、自ら身を引くという「優しい嘘」の末に亡くなっていた
- ルナの導きにより和人が遺した小説から和人の真意を知り、涼子は過去のわだかまりと決別する
- 家族と向き合う決意を固めた涼子の影で、ルナは涼子の夫・菊雄と接触する
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ルナ(波瑠)を迎えに出た涼子(麻生久美子)は、何事もなかったかのように、一緒に豚まんでも食べようとルナを誘う。
「さっきはごめんなさい、さっきは何だかキツい言い方をしてしまいました。お腹がすいて少しイライラしたのかもしれません」(ルナ)

豚まんを食べながらホテルに帰る2人
(この先もずっと、ママとこんな風にいられたら。ふんわり幸せな気持ちで夜道を歩いた。でも始まりがあれば終わりもある。私たちの旅はまもなく、予想外の形で幕引きを迎えようとしていた)(涼子)
第4話・あらすじ/ネタバレ
リストのお店は残り3軒となった。
道中で串カツ屋の前を通り、涼子はかつて和人が串カツの流行を予言していたことを回想する。するとルナが串カツ屋にも範囲を広げることを提案する。
「では串カツ屋さんにも和人さんのこと聞いてみましょう。鬼平犯科帳はご存じですか?食通だった池波正太郎先生の人気作品です。その鬼平の外伝とも言われる『にっぽん怪盗伝』の中に『正月四日の客』という短編があります。とある店で年に一度だけ出されるそばを毎年食べにくる犯人を張り込んで捕まえるお話です。捕物のエピソードですが、人捜しにも応用できるかと」

串カツが普及したのは2000年代以降であり、それ以前から好んでいた和人は、創業年数の長い地元密着型の店に通っていた可能性があると、ルナと涼子はこの推測に基づき創業50年の串カツ屋へ入店する。
店主に和人の情報を尋ねると、高校時代に野球をしていた常連客「サトちゃん」についての言及があった。
この人物はかつて実家の印刷会社を経営していたが、10年前に廃業し、現在は塾講師をしているという。
ルナが連絡先を尋ねると、店主は直接電話をかけ、現在来店中であることを確認する。
二人は期待して待機するが、現れたのは「佐藤和也」という別人だった。
お店を出たところで涼子が風邪気味になっていたため、二人はタクシーでホテルへ向かう。そのタクシーとすれ違うように先ほどの串カツ屋へ入っていく和人によく似た男性。
店内で店主は常連客に対し、ルナと涼子が探している佐藤和人について「栄成大学出身」「元野球部」「実家が大阪で商売」という特徴を話していた
その会話を聞いていた男性は、店主に話しかける。

先日ルナたちが訪れた「SATO SOLUTION」に入っていく、和人似の男性。
「奏(かなで)!どうしたの?学校は?何かあったの?」と、社長の貴和子(鈴木砂羽)
男性が串カツ屋の店主が持っていたルナの名刺画像を提示すると
「ここにも来たわ。お帰り頂いた」(貴和子)
「何話したの?」(奏)
「何も」(貴和子)
「何で?」(奏)
「あなたは余計なこと考えなくていいの、ねぇそれよりさ、帰りにね、クリーニング取ってきてくれない?」と、貴和子は話をすり替えた
公園に待つ「和人の面影」——涼子、運命の対峙へ
ルナは涼子の薬を買いに出た先で奏と遭遇する。
ホテルで目覚めた涼子は、ルナの「ちょっと出かけてきます」という置手紙を見つける。
ルナは奏に連れられ、「SATO SOLUTION」社長である奏の母親のもとへ向かっていた。
その後ホテルへ戻ったルナは、涼子が眠っている間に「姫との時間も間もなく終わりです」というメッセージをダーリンへ送信する。
翌朝、ルナは涼子に対し、和人に会いたいかと改めて問いかける。
涼子は、家族への不満が生じるたびに和人を思い出し、最後の電話を無視したことをずっと悔やんでいると吐露する。あの日の自分と決別するために真実を知りたいと告げる涼子に、ルナは「抱え続けたわだかまりを清算して、前に進みたいということですね?わかりました、行きましょう」と応じる。

ルナは涼子をある公園へ連れて来た。そこには和人に酷似した容姿を持つ奏が座っていた。
「涼子さんですよね?はじめまして、佐藤奏といいます。お会いしたいと思ってました。うちすぐそこなのでご案内します」奏は涼子に名乗りを上げ、自宅へ案内する。
(心の準備もできてないまま、ついにこの日が来てしまった。和人の顔を見たらどうなってしまうんだろう、怖い、でも会いたい)涼子
明かされた「優しい嘘」—23年越しの真相

佐藤家の家主・貴和子は和人の姉であり、23年前に和人が涼子と別れた際、その場に同席していた女性であった。
貴和子は涼子に謝罪し、和人が涼子との別れの4か月後に亡くなっていたことを告げる。
和人は涼子を火事から救い入院した際、病院の検査で末期がんが発覚していた。その時余命半年であった。
バドミントン選手としてオリンピックを目指していた涼子の活動を妨げたくないと考えた和人は、涼子には病気を隠したまま別れを告げる決意をしていた。
貴和子は一度は断ったが、和人から「頼むよ姉ちゃん、俺、彼女にはいつも笑っててほしいんだよ」と頼まれ、偽の恋人を演じる協力に応じたことを明かす。

真相を知った涼子は、和人の仏壇の前で「別れた後、電話をもらったんです。最後にもう一度会えないかって。でも、本当の意味の最後だなんて思わないじゃないですか。最低だ、私」と、涼子はその場に倒れ込んでしまった。
家で休ませてもらっている涼子。
「もしご迷惑でなければ、もう少しこちらで休ませて頂いてもいいでしょうか?」(ルナ)
「それはもちろん、やっぱりあんな芝居に乗るんじゃなかった」(貴和子)
「あれは太宰治先生の作品に出てくる別れ方ですね、太宰先生の遺作となった未完の作品で、主人公の男が愛人と別れるために、知り合いの女性に妻のふりをしてもらうお話です。タイトルは『グッド・バイ』」(ルナ)

僕、その作品知ってます。叔父の部屋に小説がいっぱいあって、それを時々読むんですと、奏はルナを和人の部屋へ案内する
本棚にあった『グッド・バイ』には、しおり代わりに涼子と和人が一緒に写るプリクラが挟まれていた。
『パンドラの匣』と和人からのメッセージ
その夜、ルナと涼子は佐藤家に宿泊させてもらう。
ルナは和人の本棚から本を出し、一晩かけて付箋を貼った。
翌朝、奏が持参したサンドイッチを食べながらルナは思考を巡らせる
優しい嘘…余命宣告…残された小説…太宰治…
「つながった」(ルナ)

体調が回復した涼子を、ルナは和人の部屋へ案内する。
テーブルにはあのプリクラが置かれていた。ルナは付箋を貼った小説を差し出し、和人が余白に書き込みを行う「マルジナリア」という読書法で本を読んでいたことを伝える。
ルナは太宰治全集を涼子に渡す。
そこには、自らの死を悟った和人の苦悩と、涼子を突き放す決意が綴られていた。
(余命わずか、残された時間…自作自演のウソ…自分ならどうするか?きっぱり嫌われる、忘れてもらう)
続いて、和人が最期に読んでいたであろう作品『パンドラの匣』を渡す
「結核を患った青年が、迫りくる死におびえながらも明るく生きるお話です。体力が落ちて、ペンを持つのもしんどい状態で書き込み続けていたんだと思います」(ルナ)

「悩み苦しむのではなく、明るく前を見て生きる。死と隣り合わせに生活している人には、生死の問題よりも一輪の花の微笑が身に染みる。会えなくても思い出せる、花のような笑顔。人間は不幸のどん底に突き落とされ、転げまわりながらも、いつかしら一縷の希望の糸を手探りで探し当てているものだ」
「涼子なら、きっと大丈夫」
「君はギリシャ神話の『パンドラの箱』という物語をご存じだろう、開けてはならぬ箱を開けたばかりに病苦、悲哀、嫉妬、貪欲、猜疑、陰険、飢餓、憎悪など、あらゆる不吉の虫がはいだし、空を覆ってぶんぶん飛び回り、それ以来人間は永遠に不幸に悶えなければならなくなったが、しかしその箱の隅に、けし粒ほどの小さい光る石が残っていて、その石に、かすかに『希望』という字が書かれていたという話…最後まで希望を持つ」という和人の言葉と共に、本の最後には乱れた字で「ありがとう、りょうこ」と記されていた。
泣き崩れる涼子。

帰京の決意とルナが抱える最後の秘め事

涼子とルナは貴和子の案内で和人の墓へ向かう。
手を合わせた後、貴和子は涼子に和人の本『パンドラの匣』を託す。
「ママ、私、大阪に連れてきてもらえてよかった。和人に会えてよかった。明日から、前を向いてちゃんと生き直そうって思えた。本当にありがとう、全部ママのお陰」と、涼子はルナに感謝を伝える
ルナは寄る場所があるとして別れ、涼子は先にホテルへ戻った。
涼子は夫の菊雄(田中直樹)へ、帰京後に、家族としっかり向き合うための話がしたいと留守電メッセージを残す。
一方、ルナは「今着きました」と誰かに電話をかけていた
「はいはい、見つけました」という電話と共にルナのもとに駆け寄ってきたのは、涼子の夫・菊雄であった。

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【本記事の画像引用元】
作品名:ドラマ『月夜行路』/ 放送・配信:日テレ
備考:本記事の画像は作品の解説・紹介を目的として上記より引用し、加工を施して使用しております。




