- 英理子は重要プロジェクトの成功と自身の出世を優先し、部下の寺田が訴えた山岸のパワハラ被害を隠蔽する
- 隠蔽の証拠を握るメール係の斉藤るりに告発を迫られた英理子は、100万円で口止めを図るが失敗し、山岸の処分に向けた報告書を作成する
- るりは寺田から英理子宛てに届いた封筒を密かに開封するが中身は空で、さらにその行為が上司に見つかってしまう
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株式会社KZGCのコーポレートデザイン本部長・宮木英理子(吉田羊)は、まだ薄暗い早朝から出社していた。
やがて社員たちが出社し始めると、部署のミーティングルームでは、英理子の部下でシステムエンジニアの山岸(小久保寿人)が、プロジェクト担当の寺田(加藤清史郎)を厳しく叱責していた。
その様子を見ていた英理子は寺田を気遣い、コーヒーでも飲みながら話を聞こうかと声をかけた。
「大丈夫です…ただ、例の件お願いします」(寺田)
「わかってる」(英理子)
第1話・あらすじ/ネタバレ
英理子は寺田の診断書を持って安西常務(尾美 としのり)のもとを訪れた。診断書には「うつ状態」と記されている。山岸の能力を評価しながらも、寺田だけでなく後輩たちを萎縮させる指導を続ければ、いずれコンプライアンス上の問題になると懸念を伝えた。
すると常務は山岸を処分するつもりなのかと尋ねた。
英理子がルーキスにはまだ山岸が必要だと答えると、常務は社員からの訴えを軽視すれば、後々大きな問題になりかねないと釘を刺す。
英理子はまず自分で対処する方針を伝え、今回は念のための報告だと説明。
「もしこの件で何か問題が起こったら、遠慮なく私を切ってください。私は会社のためにやるべきことをやります。駒になる覚悟はできていますので」(英理子)
「冗談だろうけど気に入った、その忠誠心、他の連中にも少し分けてやりたいよ。他には何か問題ない?」(安西常務)
英理子は予定どおり運用を開始し、リリースすると約束。
安西常務は英理子のプレゼンを信じてプロジェクトを任せたことに触れ、成功を見越して彼女専用の部屋まで用意していると明かした。
部署に戻った英理子は、寺田が提出した診断書をシュレッダーにかけた
英理子の説得と寺田の沈黙
英理子は出社した寺田を呼び出し、現在の情報だけでは山岸を担当から外すのは難しいと伝えた。
寺田の辛さは理解しているとしながらも、山岸の厳しい指導は期待の裏返しではないかと話し、寺田自身も山岸を慕っているように見えたと指摘。何かを言いかけた寺田だったが、結局口をつぐんでしまった。
さらに、山岸を処分するには証拠や第三者の証言が必要で、コンプライアンス室に所属する夫にも相談したが、今回のケースは難しいと言われたと説明した。
「じゃあどうすれば?」(寺田)
「今ルーキスの大事な時期でしょ?寺田君はハラスメントの告発でこの事を大ごとにしたい?」(英理子)
「いや…あの…僕が言いたいのは…そういうことじゃなくて」
「ごめん…『はい』か『いいえ』で答えてくれる?あなたはこの件を大ごとにしたい?」
「…いいえ」
英理子はさらに自分に非がなかったと100%言い切れるかと重ねて聞き、寺田は「いいえ」と答えるしかなかった。
英理子は深いため息をついて寺田の隣に座ると、今度は隠れて残業していることを指摘。就業規則違反であり、会社としてもこれ以上見過ごせないと注意した。
寺田が謝罪すると、英理子は寺田のことが心配だからと、今日はもう休むよう勧める。
世代間の価値観のズレ
ーー自宅で週末の法事について夫の正則(田中直樹)と話をする英理子
正則から叔父の七回忌に出席するか尋ねられるが、親戚から跡継ぎや介護について口出しされるのが嫌で断ることに。かつて「女のくせに仕事ばかりしている」と言われたこともあり、正則も無理に誘わなかった。
その後、英理子が最近残業の多い正則を気遣うと、正則はコンプライアンスに対する会社の締め付けが年々厳しくなり、仕事が増えているとこぼした。
自分たちは散々厳しい扱いを受けてきた世代なのに損だとこぼす英理子に対し、正則は弱い立場の人が意見を言える良い時代になったと前向きに捉えていた。
「そりゃそうだけど、今が何でもいい時代になったわけじゃないと思うよ。大体、今の若い子達は繊細過ぎる、根性が足りない」(英理子)
「そういうの、思うのは自由だけど、俺以外の前で言っちゃダメだからね」(正則)
「言うわけないでしょ」
「ま、英理子は上手く部下をまとめてるだろうから、心配はしてないけどさ」
謎の電話
ある日、英理子がデスクに戻ると、見覚えのない封筒が置かれていた。

中を確認すると、英理子がシュレッダーにかけた寺田の診断書がつなぎ合わされたコピーが入っており
『もみ消しをバラされたくなければ、山岸を処分しろ』という文も添えられていた。
動揺した英理子は寺田に折り返し電話をするよう密かに連絡を入れるが、折り返しの連絡は入らなかった。
その日の会議は上の空だった英理子だが、寺田がしばらく休職することを部署のメンバーに伝え、山岸と吉岡(宮下咲)に業務の引き継ぎを頼んだ。
その後、吉岡から寺田が役員フロアの受付の女性と交際していたことを聞き出した英理子は、役員フロアを訪れ、受付の夏目(夏子)に診断書と脅迫文を入れた封筒をデスクに置いたのは彼女ではないかと問い詰める。
しかし夏目は、寺田とはすでに別れていると明かした。
その後デスクに戻った英理子に見知らぬ女性から電話が入る。
その女性は「やるべきことをやって」「とにかく対処して」と一方的に要求し、正体を明かさないまま電話を切った。
その晩、寺田の自宅を訪れた英理子。
チャイムを鳴らしても応答はなかったが、室内に人の気配を感じ、ドア越しに「あんなことをしたのはなぜ?」と執拗に声をかけた。
するとアパートの階段からその様子を撮影していた女性が「上司が二次加害をして許されると思っているんですか?」と声を上げた。
驚いた英理子が何者なのか尋ねると、女性は逃走。慌てて後を追ったものの、その姿を見失ってしまう。
謎の女
英理子はシュレッダー付近の監視カメラ映像を確認するため、担当者に閲覧を頼み込むが、規定違反になるとして断られてしまう。
そこで不正行為に関わる緊急の問題だと訴え、映像を見せなかったことで事態が悪化すれば責任を取ってもらうと圧力をかける。さらに安西常務直々の指示だと嘘をつき、閲覧を認めさせた。
映像を確認すると、英理子が寺田の診断書をシュレッダーにかけた直後、裁断された紙を回収するメール係の女性・斉藤るり(南沙良)が映っていた。
英理子が地下のメール室へ向かうと、ちょうどるりが戻ってきたところだった。
英理子は監視カメラの映像を証拠にるりを問い詰めた。
「何であんなことしたの?寺田君とはどういう関係?目的は何?」(英理子)
「目的は伝えてある、山岸の処分です」(るり)
「そうじゃなくて、ホントの目的は何なの?わかってる?あなたのやってることは脅迫…」
「あなたは、寺田一輝の被害を無かった事にした。それは許される事じゃない」
英理子は寺田との関係や山岸への恨みを尋ねるが、るりは個人的な恨みを否定。
山岸はシステムの根幹を作った重要人物であり、今は処分できないと説明すると、るりは仕事ができれば何をしても許されるのかと反論した。
さらに診断書と前夜に寺田の自宅で撮影した映像を持ってコンプライアンス室へ行き、英理子の隠蔽行為も告発すると宣言。
最初から通報しなかったのは診断書だけでは手違いだったと言い逃れされると考えたためであった。
「何でそこまでして…どうして寺田君の住所がわかったの?私を尾行してたってこと?」(英理子)
「あなたみたいな人間が一番嫌いなんです。いつも自分が一番正しいと思ってる、自分がジャッジする側の人間だと思ってる」(るり)
追い詰められた英理子は、解決策を考えるからもう少し待ってほしいと懇願した。
口止めの失敗
デスクに戻った英理子は吉岡のミスによってリリースに遅れが生じかねないシステムトラブルが発生したことを知る。
対応に追われる英理子の脳裏には、かつて上司から受けたパワハラの記憶がよみがえっていた。そんな中、山岸がトラブルの原因を突き止めた。
ひと段落した後、英理子はるりのもとを訪れ、重要なプロジェクトを進めるうえで山岸は外せないと説明。
寺田の件には必ず対処するので、これ以上騒ぎを大きくしないでほしいと頼んだ。
しかしるりは信用できないと拒否し、行動で示すよう要求する。
英理子は診断書の復元も秘密保持に抵触すると指摘するが、るりは「わかりました、じゃあ一緒に処分受けに行きましょう」と、英理子の手を引いた。
追い詰められた英理子は、立ち去ろうとするるりに100万円を払うと提案。
お金と引き換えにシュレッダーにかけた診断書の原本と、寺田の自宅で撮影した動画を渡すよう求めると、るりは了承し、金銭の受け渡しについては後日相談すると言い残して去っていった。
ーー帰宅した英理子を待ち受けていたのは夫の正則だった
コンプライアンス室で斉藤るりから診断書の隠蔽や100万円で口止めしようとした件の相談を受けた正則は、寺田の自宅にまで押しかけた英理子を厳しく非難した。
謝罪する英理子に正則は謝って済む問題ではないと指摘。英理子は自分で解決するので少しだけ時間がほしいと頼み、パワハラの件も正式に報告すると約束した。
正則は現時点では自分のところで報告を止めているものの、それ自体が問題だと警告。
それでもすべて元どおりにすると訴える英理子に、あと少しだけ待つことを了承した。
夫・正則への発覚
英理子は会社でるりを呼び出し、要求どおり山岸を処分すると伝えた。
「ホントですか?プロジェクトの成功は山岸にかかってるんじゃないんですか?」(るり)
英理子は何とか方法を考えると回答。ここまで努力を重ね、あと一歩で会社に認められるところまで来たのに、今さらすべてを無駄にはできないと訴えた。
なぜそこまで会社に尽くすのかと尋ねられた英理子は、封筒を配るだけの若い女性には、自分がこれまで味わってきた苦労や犠牲など理解できないと感情をあらわにした。
「言葉に気を付けて」(るり)
「私がこれまでどんな思いを味わって来たか…どんな犠牲を払って来たか。あなたには絶対、想像すらできない」(英理子)
「ちょっと、自分の立場わかってます?」
「何でこんなことに…」とつぶやく英理子
「何?ちょっと要領を得ないから『はい』か『いいえ』で答えてもらっていいですか?聞いてるの、『はい』か『いいえ』で答えてもらってもいい?」
「…はい」
「これから、私の言う事ちゃんと聞くのね?」
「…はい」
その後、英理子はるりが見守る中、ハラスメントに関する報告書を作成する。
報告書が受理されればコンプライアンス室による関係者への聞き取り調査が始まり、その結果を踏まえて処分が決まる。
英理子は今後、自分が直属の上司としてコンプライアンス室との窓口になると伝え、山岸を確実に処分したいなら軽率な行動は控えるよう、るりに釘を刺す。また、正則から事前に聞いていたことを隠し、るりにコンプライアンス室へ相談した際の担当者の名前を確認した。
英理子の巧妙な罠
その日、英理子は夜遅くまで仕事を続け、帰り際に一通の封筒をポストへ投函した。
翌日、郵便物を仕分けていたるりは、寺田から英理子宛てに届いた封筒を見つける。
その前夜、英理子はるりが退職した場合、会社はその告発を取り扱う必要がなくなるのではないかと正則に話していた。
「どういうこと?」(正則
「いや…会社を辞めた人の告発って、会社的に取り扱う意味ないよね?」(英理子)
「へ?まさかクビにでもすんの?」(正則)
るりが被害者でもないのにしゃしゃり出てくるのは不自然だと話す英理子に、正則は当事者の意思が最も重要だとしつつ、英理子がまた何か企んでいるのではないかと疑念を抱いていた。
一方、るりは郵便物を仕分けるふりをして寺田からの封筒をこっそり開封。しかし、中には何も入っていなかった。
その瞬間「斉藤さん?何してるの?」と、上司に声をかけられる。
手にしていた封筒を取り上げられ、勝手に開封していたことが発覚すると、るりは説明を求められた。
【本記事の画像引用元】
作品名:ドラマ『会社員』/ 放送・配信:NHK
備考:本記事の画像は作品の解説・紹介を目的として上記より引用し、加工を施して使用しております。

