- 乃木がベキと対峙する一方で、黒須を含む別班員5人が何者かに拉致される事件が発生
- 乃木らは黒須のゲルに残された映像を解析し、拉致された別班員たちが各地の空港へ運ばれたことを突き止める
- 敵の目的は別班員5人の集結と予測する中、乃木は各空港の位置からアール山(アララト山)を中心とした地域に運ばれたと分析し、キプロスへ向かう
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中華人民共和国、新疆ウイグル自治区を疾走する一台のトラック
ーー同時刻、成田国際空港
ベキ逃走の知らせを受け、バルカ共和国から急ぎ帰国した乃木憂助(堺雅人)は、別班司令・櫻井(キムラ緑子)から抹消されていた公安勤務時代のベキ(役所広司)のデータを受け取っていた。
ベキの真の目的は、自分と家族を見捨てた元上司・上原官房副長官(橋爪功)への復讐であると気づいた乃木は上原宅へ、そこではベキ・バトラカ(林泰文)・ピヨ(吉原光夫)が上原を粛清しようとしていた。
乃木は銃撃で3人を止め、銃弾に倒れたベキを抱きしめた。
中華人民共和国とバルカ共和国の出入国審査場に到着したトラック、検問員が人員数と目的を確認する。
バンとトラックに乗った5人は目的地はロシアへと申告、検査を通過してバルカ国内を疾走していた。
その時運転手に電話が入る
「本部からです、予定通りまもなく同時決行するそうです」(運転手)
ーー佐賀県民病院、半田総合病院、旭川共済病院
建物内や付近で同時に爆発が起きる
ーー和歌山医療会病院
深夜のナースステーションに1人の警備員がやって来た
「何か?」と聞いた看護師に警備員はスプレーを吹きかけた
第11話(第2シーズン第1話)あらすじ/ネタバレ
都内のとある裏路地の奥にある、厳重なセキュリティーの部屋に入った乃木は、テレビのニュースをつけた後、テロ組織『テント』の潜入捜査に関する任務成果報告を作成していた。
ーー同時刻、バルカ共和国とロシア連邦の出入国審査場
検問員が入国時の5人から減って3人の申請しかない理由について疑問を呈する。
男は体調不良で2人をオルグス病院に置いてきたと説明、入院が確認されたことで入国が許可された。
ーー乃木がいる部屋のテレビから上原宅の火事のニュースが流れてきた
「今日、内閣官房副長官の自宅で火事がありました。警視庁によりますと自宅は全焼し、上原官房副長官とその家族、秘書官は避難して無事でしたが、焼け跡から3人の遺体が見つかったという事です」
そのニュースを確認した乃木は、明治神宮で参拝している薫(二階堂ふみ)とジャミーンのもとへ向かい、3人で再会を喜ぶ。
その時、Fから「置いてあるぞ」と耳打ちされた乃木が視線を向けると、小さな祠にピンクの饅頭が置かれていた。
茶道具店での暗号確認
乃木は自宅でスーツに着替え、バルカの奥地でのレアアース輸入交渉について薫に説明する。
中国やロシア等に知られれば紛争になりかねないほどの量と質であり、バルカ政府との合意前だったためスマホを取り上げられて連絡が取れなかったと弁明し、出かけようとする。
乃木のそばではFが「早くしろ指令が待っている」と乃木をせかしていた。
「ああ~日本の水道水がおいしい、ではいってまいります!」
なぜ出発前に言わなかったのかと乃木を引き留める薫に対し、乃木は危険を冒してでも薫とジャミーンと一緒に生きていくため、また同期の出世争いで遅れをとっており今回の契約にかけるしかなかったと説明。
さらに携帯を取り上げられても公衆電話を使えたはずだと追及されると、電話番号を覚えていなかったと言い訳し、急いで家を後にする。
ーー乃木には尾行がつけられていた
「まだいるぞ」(F)
「そうだね」(乃木)
「こりゃあ何かが動き出したな」(F)

乃木は尾行を巻きながらある茶道具店に向かい、受け取った箱を開けると、中の茶筒に『火急あり』『薩摩隼人』 と書かれた紙が貼られているのを確認した。
別班員の連続拉致と黒須の失踪
防衛省近くのビルの地下駐車場からセキュリティを通って旧大本営地下壕を抜けた先にある櫻井の待つ部屋へ入った乃木は、櫻井からテント潜入任務に参加していた4名(熊谷、高田、廣瀬、和田)が姿を消し、何者かに拉致されたという事実を知らされる。
AIの”ハヤト”が映し出した防犯カメラの映像には、それぞれの病院で食事に注射器で何かを注入する不審者の姿が捉えられていた。
「混入されたのは、トリアゾラムかバルビツレート」(乃木)
「恐らくどちらかを摂取し、夕食後1時間程度で意識が混濁し始め、深夜拉致されたという事だ」(ハヤト)
「しかしなぜ気づけなかったんだ、皆舌で感知できるはず、その訓練を受けています」(乃木)
「そこが最大の謎、拉致した組織は無味無臭の新薬を使用したとしか考えられません」(櫻井)
さらに、拉致発生直前から各病院の監視カメラがダウンし、出口や駐車場の映像も残っていなかったことが判明する
ハヤトはSNSの映像等をもとに、各地の病院で起きた一連の拉致が計画的な犯行であったと断定。
佐賀、旭川、半田の各病院では車両やボイラー室、機械室などの爆発・火災の混乱に乗じて別班員が連れ出され、和歌山では警備員に扮した人物が看護師に青酸ガスを噴射して和田を拉致した模様が明かされる。

各病院周辺の監視カメラに不審車両の検知がなかったことから、乃木とハヤトは地下の下水道を使った綿密な計画的犯行と推測。
「別班がノゴーン・ベキ確保に集中する状況を知り、その隙をついて実行したのでしょう。黒須さんも今朝から音信不通となりました」(櫻井)
黒須の失踪に驚き急ぎノコルに連絡を取った乃木
黒須のゲル(※モンゴル高原の遊牧民が暮らす伝統的な移動式の丸い家)に到着したノコルから、入り口の鍵が溶かされ、争った形跡はなく、乃木家の守り刀が紛失、そして壁に銃弾痕らしき穴があることが伝えられる。
「これは日本国の危機に直結する由々しき事態です、今まで噂の中だけの存在だった別班が、初めて世界にその実在をさらすことになります」(櫻井)
「そうなると最大の問題が、民主国家であるわが日本、その自衛隊に独自の秘密諜報機関…」(ハヤト)
「そんなことは百も承知、数値は出たの?黒須さんの居場所、拉致された4人の素性および搬送先の病院を認知していたのはこの11人、これから示すのはハヤトが導き出した情報流出の可能性の数値です」(櫻井)
ハヤトが導き出した数値が示された
情報流出の確率分析
ベキ、バトラカ、ピヨ(3%): 死を覚悟して日本へ渡航したため、情報流出させる利点は考えられないと評価
櫻井里美、乃木憂助(5%): ノゴーン・ベキ確保の任務を遂行し、特に疑わしき点は無いものの、情報が盗まれた可能性が考慮されている。
黒須(15%): 8日0時以降の行動が一切不明であり、拉致の証拠がなく、拉致に見せかけた逃亡の可能性も加味されるため数値が高い
野崎守(37%): 過去に諸外国への派遣歴が多く、諜報員としてもずば抜けており、情報管理の徹底や本心を見抜かれない心得がある点を考慮。
佐野雄太郎・公安部長(27%)、綿貫警視総監(24%): 愛国心が強く国益を第一に考える人物であり、乃木を別班と確信しても情報を守り続けてきたが、別班の存在自体には否定的な面もあることが考慮されている。
残りの2人: ノコルと新庄
その数値を見た櫻井と乃木
「やはり」(櫻井)
「私もそう考えておりました。早速バルカに渡ります、あのゲルに仕込んでいたものがありますので」(乃木)
ハヤトは国内にいるのか海外に渡ったのか不明な4名を追うのは極めて困難だが、砂漠が広がり車両以外の移動方法が考えにくいバルカであれば衛星画像での追跡が可能であり、手掛かりをつかむには黒須駿を追うのが最も合理的だと分析する。
しかし、そのエリアの衛星画像を入手するにはロシアまたは中国の軍事衛星をハッキングする必要があり、自身にはそれが禁じられていると懸念を示す
「大丈夫だハヤト、手は考えております」(乃木)
「ブルーウォーカーですね?手段は問いません、必ずこちらに引き入れなさい」(櫻井)
乃木は櫻井から、乃木だけが無事なのは昨夜ベキといたため居場所を特定されなかったためであり、細心の注意を払うよう忠告されると、乃木はすでに自宅からマークされていたと答える。
「素性は?」(櫻井)
「公安外事4課、和久井俊作、森田喜一」(乃木)
櫻井は今朝事情を知った野崎(阿部寛)が乃木の身を案じて警護をつけたのだろうと推測する。
『世界中を巻き込む大きな渦に入り込んだ』かつて野崎さんが私に言った言葉です。世界を震撼させたテントの実態が判明し、解体した。その裏で別班が何者かに連れ去られた(乃木)
「この2つの事案は、最初からつながっていると?」(櫻井
「はい、私はまだ大きな渦の中にいるのかもしれません」(乃木
野崎との密会
携帯電話を電波遮断の袋に入れた乃木が出発する。
地下鉄の車内であえて一度だけその携帯を取り出し、公安に位置を捉えさせた
ーー公安無線
「乃木憂助を捕捉。地下鉄三越前A3出口から地上へ、中央通り三越本店前を経て神田方向へ徒歩にて移動中。尾行点検なし」
「室町2丁目の交差点を左折、丸菱方面へ。尾行、異常なし」と鈴木が報告を入れると、野崎は「わかった、警護はいったん中止だ。真昼間の日本橋で事は起こさんだろ」と指示を出す。
その直後、乃木は再び携帯を電波遮断の袋に滑り込ませ、ピタリとGPSを消失させた
「鈴木、乃木は目視できるか?」 「いや、いません…見失いました」
「さあ野崎はどこで待ってるかだ」(F)
「この近場で人が密集していて、監視カメラに囲まれ盗聴もされにくく」(乃木)
「さらに死角がなく一番物騒な事が起きにくい所と言えば?」(F)

ーー日本橋三越本店の中央ホールを見下ろす吹き抜け
そこで野崎を待っていた乃木とFの前に野崎が姿を現した。
「こんな形で呼び出したって事は、4人のことはもう耳に入ってるな?」(野崎)
乃木は黒須も含め5人であることを伝える
「警護までつけて頂きありがとうございます、警護理由はなんと?」(乃木)
「お前たちが持ち帰った地下資源の情報は、世界中の諜報員が欲しがるものだ。で、あるソースからお前が狙われているという情報が入ったと、適当にほにゃららだ」
「実際産業スパイがそろそろ動き出すでしょう」
「要は親族の警護だな」
敵は命を奪わずあらゆる手段で情報を引き出そうとする、訓練された自分達はどんな拷問にも耐えられるが親族を盾にされると分からないと乃木が懸念すると、野崎も「あれが一番効く」と同意する。
公安が別班5人の親族や薫、ジャミーンの警護を提案するが、陸自・特殊作戦群が出動待機中だと聞いた野崎は、指揮系統の乱れを避けるため公安側の出動を辞退する
「で?別班員を売ったやつだが、そっちはどう読んでる?」(野崎)
ーーハヤトの予測値では新庄(竜星涼)が95%であった
テントのモニターだった新庄浩太郎は、国内居住が困難になることから海外逃亡を企てている。
他国スパイに関する情報を持つ公安外事に、別班の機密や拉致した別班員を手土産として差し出し、その国での永住権を得るために情報を売り渡した可能性が高いとの見立てである
「だろうな、やつしかいない、俺が必ず見つけ出す、で、新庄にベキの脱出を指示したのはノコルか?」(野崎)
ノコルが新庄への指示は認めたものの逃走計画までは知らなかったと乃木が明かすと、野崎はノコルから乃木、そして野崎へと芋づる式に情報が漏れるのを防ぐための当然の判断だと納得する。
最後に乃木は、これから岐阜へ向かい、明日にもバルカへ渡る予定であることを野崎に伝えた。
乃木が持ち帰ったフローライト独占契約
ーー丸菱商事、エネルギー事業部
出社した乃木を待ち構えていた宇佐美部長が「今朝外務省から帰国したって連絡が入って、何度も電話したんだよ!」と詰め寄った。
別室で乃木から、純度99パーセントのフローライトの採掘および代理店契約の件を報告された宇佐美は「金属資源部が調査して何も出なかった不毛の地だ、騙されてるんじゃねえのか?」と疑う。
しかし、乃木がJKT資源開発とオリベ化学連名の資料を見せ、金属資源部が調査した150メートルより深い「地下200メートル」に眠っていること、そして推定埋蔵量が1億6千万トンにのぼることを知ると「アジア唯一の独占輸入をうちが総取りだと?」と驚愕する。
「お前、うちでロクな成果も上げられないくせに、他部署の件に足突っ込みやがって!」と怒る宇佐美に
Fが「次期役員はこいつか金属資源部の富樫の2人に絞られている。このままでは富樫に役員の道が渡るため、自分の出世か会社の利益かで揉み消すかどうか悩んでいるぞ」と見立てを囁く。
「部長、近いうちJKTやオリベから問い合わせが来ます。その時部長が揉み消したと…」(乃木)
「ちょっと待ってろ!」と、慌ててどこかへ確認しに行った宇佐美は戻ってくるやいなや「社長と専務は会議で岐阜にいらっしゃる、行くぞ、今夜しか会うチャンスがないんだよ。明日から社長は北米へ、専務は東南アジアに長期出張だ」と乃木を連れ出した。
予想外の人事
ーー岐阜県、恵那市、岩村城下町
会食の店に向かう車中、専務の長野(小日向文世)が社長にフローライトの業績見通し(年間5300億円、20年で10兆円超え)を報告していた。
先に社長と専務の到着を待っていた宇佐美と乃木の前に「社長に急遽呼び出された」と、富樫が現れた。
その直後到着した社長と長野専務。
長野はバルカでの生産開始に伴う専門事業部の新設と、その本部長人選について内々の了承を得るために富樫を呼んだと説明した。
富樫はすかさず「ぜひ私にお任せいただけないでしょうか。各企業への橋渡しや販売網の構築、専門知識において私に勝る者はいない」と強気にアピールする
Fが「さすが富樫強気に出たね」「これで役員は富樫で決まりかな~」と呟く中、社長が意外な人事を提示する
「確かに富樫君の言う通りだ、しかし私の考えは少し違う、対バルカ政府やムルーデル社との関係もある。これは大胆不敵な人事だが、功労者である乃木君に本部長を任せようと考えている」
「この2人を差し置いてお前が役員?」とFを含む富樫、宇佐美、乃木は驚愕した。
ーー店に向かう車中、長野専務と社長はフローライトの業績は丸菱の未来を支える一大事業になると語っていた、しかし長野が「ただひとつだけ懸念が…」と切り出し、ムルーデル社が丸菱という会社ではなく乃木個人を信用して契約に応じている実態を明かす。
長野が差し出した乃木の人事評価は、入社以来Cランク以上になったことがなく、昇進も遅く性格も優柔不断という冴えないものだった。
だが、最大の懸念は「損得で動かない」その気質にあり「やり方を間違えれば案件が消滅し、乃木が物産に引き抜かれれば、ムルーデル社もそちらへ流れる」と、長野は社長に進言していた。
富樫が「3階級特進で役員に?」と絶句する中、社長は「5,300億だ、十分な実績だ」と取り合わず、長野専務は宇佐美と富樫に乃木のサポートを命じる。
Fが「どうにかしろ、予想外の展開だ!」と焦るなか、乃木は巧みな芝居を打った。
今回の案件は宇佐美部長の支えがあったからこそだと話し「自分の査定はDランクで役員なんてとんでもない。本部長には宇佐美部長が就くべきです」と宇佐美を立てつつ辞退する。
さらに「許されるならば、事業がスムーズに開始されるまでは、今後もバルカで現地責任者として道筋を見守りたいと願っております」と申し出た。
専務の目配せを受けた社長が乃木の意向を認めると、長野専務が「部署の立ち上げには時間がかかる。ここはしばらく私が面倒を見る」と場をまとめた。
乃木を狙う産業スパイ
ホテルの部屋に戻った乃木は、カードキーがすでに刺さっていることに気づく。
部屋には社長からのシャンパンとおつまみが用意されていた。
乃木は書類を金庫にしまい、シャンパンを一口飲んだところで、そのままソファへ倒れ込んだ。
その時何者かが部屋に侵入、乃木が昏睡しているのを確認すると、金庫があるクローゼットへと向かった。
しかし、扉を開けるとそこにはドラムの姿が。
侵入者はドラムに一撃で殴り飛ばされ、意識を失って倒れ込む。そこへ、ソファから起き上がった乃木が姿を現した。
一部始終を外の車内からモニターで監視していた人物は、計画の失敗を悟ると、車を急発進させて走り去っていった。
ーー5分前
部屋に入った乃木に、Fが異変を伝える
「隠しカメラが2台。社長からのシャンパンは空気が抜けており、注射器で何かを混入された痕跡あり」
乃木は書類を金庫へしまう際、おつまみに添えられていたペティナイフを手に取り、クローゼットへと向かった
クローゼットを開けると、中にはドラムが立っていた。
ドラムの足元にナイフを落とした乃木は反対の引き戸を開け金庫に書類を収める。
ドラムは監視カメラとシャンパンへの注意を促し、ナイフを乃木へと手渡した。
乃木は左手にナイフを隠し持ち、シャンパンを口にしソファへ倒れ込んだ、その際カメラから口元が見えない角度でそれを吐き出していたのだ。
侵入者の正体は、宋 沐辰(ソウ ムーチェン)、アジア全般、特に日本を拠点とするやり手の産業スパイだった。
「残念ながら、別班員を拉致した連中とは違います。もし連中なら僕の拉致を最優先するはずだ。だが彼はまず金庫にあったフローライトのデータを狙った」と乃木は分析した。
「じゃあまた明日ね、隣の部屋にいるからね」と告げるドラムに「明日はバルカですけど」と乃木が返すと、ドラムは「僕も行くよ。野崎さんの命令で、ずっとそばを離れるなって。ねえ、監視カメラ、回収しておいた方がいいよ」と、気絶した宋 沐辰を引きずりながら部屋から出て行った。
黒須の失踪の手掛かり
乃木とドラムが出発する成田空港には野崎が来ており、乃木にベキたち3人の遺骨を手渡した
「葬式は?」(野崎)
「盛大にやろうかと」(乃木)
「それがいい。公安からも各国諜報機関に、テントの指導者ノゴーン・ベキの死は真実であると情報を流しておく。世界に知らしめることが重要だ」
しかし、野崎は式は養護施設関係者だけにとどめ、乃木やノコルらテント幹部の出席は控えるべきだと助言し、乃木も同意する。
現地での警護についてはバルカ警察がつくよう手配されており、野崎は、チンギスはゴビとワニズの取り調べで来られないが「あいつは信頼に足る男だ、何苦渋に直面したらチンギスに相談するといい」と乃木とドラムを送り出した。
ノコルたちが待つゲルに到着した乃木とドラム。

ドラムが箱を開けてベキたちの遺骨が入った骨壺を見せると、元テントのメンバーたちは一斉にひざまづき、手を合わせて頭を下げた。
「世界を騒がせた指導者と幹部です。全ての骨をお持ちすることはできず、特別に一部だけ分骨してもらいました」と乃木が説明すると、ノコルはテントを代表して感謝を述べた
その後、ノコルはメンバーたちの前で方針を語る
「正式な葬儀は2週間後に執り行うが、参加者は養護施設関係者のみとする。フローライトのためだ。ムルーデルとテントの関係を断ち切るためにも、そうした方が賢明だと判断した」
戸惑いを見せていたメンバーたちも、ノコルのその言葉に納得し、一同は「承知しました」と静かに頭を下げた。
乃木、ノコル、ドラムの3人は黒須のゲルへと向かった。
最後にここを訪れた時の記憶から、乃木は絨毯が1枚無くなっていることにすぐ気づく。
ゲルに空いていた穴は22口径のライフル銃によるもので、50メートルから100メートルほど離れた場所から狙撃されたものと推測されたが、肝心の弾頭はどこにも見当たらなかった。
「では、体内か」と呟きながら、乃木は壁から隠しカメラを取り出す。
「仕込んでたのか?」と驚くノコル
「お父さんからここを与えられた時は、まだ信用されていなかったからね。不測の事態のためにね」(乃木)しかも、あと2つ仕掛けていたことにノコルとドラムが驚きの声を上げる
「浅い川も深く渡れ、か?」(ノコル)
「ああ、別班の鉄則その3だ」(乃木)
黒須拉致の真相
ノコルのゲルで映像を確認する乃木たちは、日本にいるブルーウォーカー(太田)にも接続して解析を急ぐ。 太田の解析によれば、4日前のテント解体情報の拡散に伴い、中央アジアを監視していたロ中両国の軍事衛星がウクライナや台湾・尖閣へ移動してしまったため、解像度の低い気象衛星の映像しか残っていないという。
0時5分に黒須のゲル近くへ1台のトラックが停車、3時には車は消えていた。
ゲルにトラックが来る前の映像を確認すると、黒須は車が到着する前から気配を察知して起き上がっていた。
「この時点で気づくのか、さすが別班だ」(ノコル)
黒須はゲルの鍵を溶かして侵入した1人を背後から制圧し、乃木から預かった守り刀を喉元に突きつけて「何者だ?」と詰問する。
しかし、天井からもう1人の工作員が奇襲してくると、最初の男の喉を掻き切る。
天井の工作員に刀を投げつけて組みついた際、相手から帯に赤く光る発信機を付けられるが、黒須はとっさにそれを引き剥がして相手の額に貼り付けた。
直後、外からの銃弾がその赤い光めがけて撃ち込まれ、工作員は額を撃ち抜かれて倒れる。
黒須が壁の穴を確認した次の瞬間、ドア付近にいた工作員から麻酔銃が放たれ、腰に命中した黒須はその場に倒れ込んだ。
「太田さん、3人…いや、4人、…いや5人だ」と乃木が工作員の人数を特定する。
映像にはリーダーを含めた残りの2人がゲルに入ってくる姿が映っており、リーダーは乃木家の守り刀を自分の懐にしまい込んだ。その間、他の工作員たちは死体の処理と、黒須を運び出す準備を冷静に進めていく。
「すごく訓練されている工作員ね。一言もしゃべらないし、塩素系スプレーでDNAも検知されないようにしているよ」(ドラム)
トラックの行方を追う太田、すると中国・新疆ウイグル自治区とバルカの国境にあるドルジ出入国審査場において、5人乗りのトラックの入国記録が確認された。
5月7日16時18分、積載物はなし、目的はロシアへの通過として5名分のパスポートが登録されており、太田はその顔写真のデータを送信する
「顔写真は本人でもパスポート自体、偽造でしょう」(乃木)
さらに太田の調査で12時間後のロシア国境(ウルギー出入国審査場)では申請が3人に減り、「2人は急病で病院に置いた」と説明していたことが判明したが、入院患者はパスポートとは別人であった
「替え玉ね、遺体はバレないように埋めちゃったね」(ドラム)
「黒須はどこだ」(ノコル)
その時トラックの荷台画像に違和感を覚えた乃木が太田に同じ型と比較させると、荷台が27センチ上げ底されている事が判明した。

「27センチあれば人間は入れられる、太田さんこのナンバーのトラックの追跡を、司令に報告してくる」(乃木)
「乃木さん、黒須さんは生きてるんですよね?」(太田)
「敵の目的は別班の情報です、今の所殺されることはありませんが、用が済めば…すべては時間との勝負です」
拉致された別班員、海外移送の可能性
ーー警視庁サイバー犯罪対策課
公安の総力を挙げるも、新庄の行方は依然として掴めずにいた。
「ダメだね、完全に消えた。さすがだよ、新庄は」と東条がぼやく
「完璧なんかありえない。人は必ずミスを犯す」と野崎は引かない
「こいつの弱点はあんたと一緒、日本人離れした体格、やたらとでかいってことだ」(東条)
その時、野崎の携帯電話が鳴った
「ちょっと外す」と部屋を出た野崎は、ホテルニューオータニへと向かう。
部屋で待っていたのは、野崎の叔父であり、ベキ(乃木卓)の兄である寛道(井上順)だった。
「どうも、すいません急に。島根からお呼び立て致しまして」
「いえ、いずれにせよ明日から埼玉で会合がある予定でしたので、お気遣いなく。それより重要なお話とは…憂助に何かあったんでしょうか」
「いえ、弟さんの乃木卓さんについてです」と野崎は切り出した
太田の引き続きの調査で、ロシアに入ったトラックはアバカン国際空港の貨物積載用格納庫へ直行したものの、到着5分前から120分間、現地の監視カメラが停止していたことが判明する。
到着直後に飛んだ貨物機はなく、代わりに1機のプライベートジェットがロシアとイランに挟まれた国・アゼルバイジャンへ向けて離陸していた。
さらに、ジェットが到着したバクーのハイダル・アリエフ空港でも、格納庫内および連結する廊下の全監視カメラが、到着5分前から60分間にわたって停止されていた。
ーー櫻井とハヤトが、大型モニターを通してバルカの乃木と回線をつないでいた
黒須駿を連れ去った5名の写真およびパスポートの偽名をハヤトが別班のデータベースと照合した結果、いずれも該当せず、現時点での所属組織は不明のままだった
「ただ、黒須さんがアゼルバイジャンに運ばれたという情報に行き着いたのは、そのおかげでもあります」と櫻井は、5月8日に各地から飛び立った貨物機のリストを提示する。
- 廣瀬瑞樹がいた半田総合病院から約30分の中部国際空港:3時30分発イスラエル行き
- 熊谷一輝の佐賀県民病院から約110分の北九州空港:4時50分発ジョージア行き
- 和田貢の和歌山医療会病院から約40分の関西国際空港:3時45分発トルクメニスタン行き
- 高田明俊の旭川共済病院から約120分の新千歳空港:5時5分発キプロス行き
貨物はすべてが厳重に検査されるわけではなく、特に大型貨物は検査の目をかいくぐりやすいため、仮死状態のまま積み込まれていたとしても不自然ではないという。もっとも、実際にこの便に乗せられていたかどうかは推測の域を出なかった。
乃木はこの場からの太田との通信許可を櫻井に要請した。
敵の目的は別班員5人の集結
ーー10分後
「調査結果が出ました。この映像を見てください」と太田が画面を切り替える。
別班員が運ばれたと推測される各空港の、貨物到着時の格納庫カメラをハッキングした映像だったが、これらもすべて到着5分前から映像が遮断されていた。
「これで推測の域は出ましたね。私の予測演算によれば確率は98.2%、5名の別班員は各空港へ運ばれたと断定して差し支えありません」とハヤトが分析する。
櫻井は敵の目的を5人の集結と予測、乃木がその集結場所から正体を暴けると応じると、櫻井はハヤトに対し、中東および東欧エリアに潜伏する別班員へ最優先での調査を命じた

乃木は、別班員がアール山を中心に半径1000キロ圏内の空港に運ばれていたことに気が付く
「アール山って?」とドラムが首をかしげる
「またの名をアララト山、ノアの方舟が漂着したと言われている伝説の山です。実は大学時代からノアの方舟伝説に興味を持ち始めまして…」(乃木)
「父さんと一緒だな」(ノコル)
「そうなんだ、奥出雲の実家で…」と言いかけた乃木を遮るように、ノコルが「そんなことより、運ばれた先にキプロスは入ってるのか?」と問う。
「あるが、何か?」(乃木)
アリとの再会
ーーキプロス国際空港に到着した乃木とドラム
お土産を買いたいので、と空港内のある店へ足を運んだ乃木は、店員のアンドリアに声をかけ、レメネス産のピラミッドソルトの詰め合わせを2つ求める。
「支払いは?」(アンドリア)
これで、と乃木がクレジットカードを見せると、バックヤードへ向かったアンドリアが戻り、31ユーロであることを伝え、2つの紙袋を乃木に手渡した。
受け取った紙袋の中身はピラミッドソルトではなく、諜報活動に必要な拳銃などの道具一式だった。
「仲間がここにもいるの?」とドラムが驚くと、「世界中にいますから」と乃木は答える。
「じゃああの綺麗な人も?」(ドラム)
「いえ、ドラムさんと同じエージェントです。別班はお互いを知らない不思議な組織なのです」と説明し、「浅い川も深く渡れ、です」と言いながらドラムに拳銃を渡した。そして「作戦を説明します」と続ける。
その後、乃木はある場所に向かう途中、Fとなり、家のチャイムを鳴らす。
扉を開けたのはアリ(山中崇)だった。その瞬間、Fが「ドラム!」と合図を送り、家の裏口から回り込んだドラムがアリを制圧し、注射を打って眠らせた。
【本記事の画像引用元】
作品名:ドラマ『VIVANT・第2シーズン』/ 放送・配信:TBS
備考:本記事の画像は作品の解説・紹介を目的として上記より引用し、加工を施して使用しております。


