- 充はあずさとの関係について、毎月コインランドリーで話していただけで、不倫ではなかったことを改めて説明する
- 充は咲子に、幼少期の家庭環境から繰り返してきた失踪癖と、咲子と出会ってから10年間失踪せずにいられた理由を打ち明ける
- 失踪癖のある充を心配したあずさは「ガス抜きになれば」と長野行きへの同行を申し出て、2人は「プチ失踪」と称してバスに乗り込んでいた
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ーー瀬尾家のリビング
「どうして二人が不倫じゃないって言い切れるんですか?僕と園田さんのことはあんなに疑っておいて。コインランドリーで洗濯が終わるまで二人で話してた、同じだと思うんですけど」(充)
「確かに」と、咲子(蒼井優)は時間を取らせたことを樹生に詫びる。
「確認させてください、妻とは毎月コインランドリーで話すだけの関係。長野へは疎遠のご両親に会いに行った。それに妻を誘った」(樹生)
「はい」(充)
「サービスエリアであなただけバスを降りて、そのまま家に帰らず失踪した」(樹生)
「はい」(充)
「理由も気になりますけど、それは僕には関係ないですしもういいです」と、樹生(中島歩)は翔を預けているため帰ろうとし「途中まで二人で話せますか?」と充(松山ケンイチ)に声をかけ、2人は外へ出た。
第7話・あらすじ/ネタバレ
充があずさのことを「自分のせいだ」と頭を下げると、樹生は思わずつかみかかり、殴ろうとするが踏みとどまる。
「殴りませんよ、殴ってほしいんでしょうけど」(樹生)
「失踪のこと、話せば長くなるんですけど」(充)
樹生は失踪の件は自分に関係ないし、どうでもいい。あずさが自分ではなくわざわざ外で充と話すことを選んだことに自分にも足りない部分があったのだと語る。そして、あずさを誘ったのは本当に充なのかと尋ねる。
「はい、全部僕のせいです、巻き込みました」と、充は深く頭を下げた。
家に戻ると咲子の姿がなく充は慌てて咲子を捜すが、その時咲子がトイレから出てきた。
充は咲子を抱きしめ「いなくなったと思った」と安堵する。
「は?えっ、私がいなくなったと思って慌てたの?」(咲子)
「うん」(充)
「この数秒見当たらなくて?」
「うん」
「1年も姿くらませてたヤツにそんな心配する資格ない」
「ごめん」
咲子は自分も充を疑ったことを悔やみ「いっそ不倫されていた方がましだった。だってその用事に誘うって、よほどの信頼関係だよね」と本音を漏らす。
充は結婚の時に決めた「話したくないことは話さなくていい」という約束をやめ、咲子に嫌われるのが怖くて言えなかったことをすべて話す覚悟を伝える。
「じゃないと、何で逃げたかも、園田さんとの事も説明できないから」(充)
ーー宮内( リリー・フランキー)の書店に翔を迎えに行った樹生
店には樹生があずさ(夏帆)にプレゼントしたブックカバーとしおりがあった。
持って帰って、と宮内はブックカバーを樹生に渡した

「まだ私物出てくるんですね、1年もたつのに」と、樹生が中を開くと、それはあずさの日記だった
「向こうの旦那も戻って来たみたいだから、もう渡してもいいかなと思って、いやいやいや、君が見てショック受けるようなこと書いてなかったよ、ごめんなさい僕読みました」(宮内)
「不倫じゃなかったっていうのはわかってます、でもだからショックでもあって。恋愛感情とは別にある信頼関係って、あまりにも強くないですか?」(樹生)
充の生い立ちと「失踪癖」の原点
洗濯物を畳みながら、充はこれまで誰にも話せなかった生い立ちや、繰り返してきた失踪について咲子に打ち明ける。
「父親も母親も子供いらなかったんだって、でも俺ができて仕方なく結婚したらしい。直接聞いたんじゃなくて、親戚が酒のつまみに話してるの聞いた。子供って分かるんだよね、大人のそういうの。時々、親以外の大人が守ってあげないといけない、かわいそうな子供っているけど、俺は違ったんだよ。ご飯は食べられたし、風呂に入れたし、服は洗濯してもらえた、殴られないし蹴られない。ただ愛されてないだけ。子供に愛情が無いことは法律には触れない、だから親と暮らした」(充)
幼い頃から親の機嫌をうかがい、いい子でいることで家庭の中で居場所を保ってきた。
そんな充にとって、母親に連れて行ってもらった喫茶店の店主だけが、自分の話を聞いてくれる大人だった。ある日、引っ越しが決まり一人で店主に報告に行った時
「どこか一人の場所やら、誰か一人にこだわる必要は無い。これからはどこへだって行ける、色んな人に出会えるよ」と言われたことをきっかけに、8歳で初めて逃げ、その後も遠足や部活、デートの最中など、何度も突然姿を消すようになった。
「気持ちで言えば逃避願望、最近の言葉だと人間関係リセット症候群、一番わかりやすいのは、失踪癖」(充)

2~3年に1度のペースで逃げ、大人になってからはその都度転職をし、咲子と会ってすぐの頃も音信不通になっていた。
「3か月くらい、海外出張って」(咲子)
「ウソ、あれが今回の以外だと最後の失踪、その頃にはもう前の会社辞めて人間関係全部リセットしてた」(充)
喫茶店を始めた理由も「自分の店を持ちたかった」というのは嘘で、本当は人間関係のリセットを繰り返していたため、再就職が難しくなってきたからであった。
「全然気づかなかった」(咲子)
「多分ウソうまいんだよね、物心ついたときから全部ウソだったから。結婚前ではあるけど、ごめんねウソ」(充)
「私バカだな、連絡取れない間寂しくて。やっぱこの人のこと好きなんだなって確信したんだよ、その期間に」
「俺も」
「充は失踪してたんでしょ?」
「逃げるときって、とにかく知ってる人に会わない場所目指すんだけど、なのに初めて思った、あの人に会いたいなって。中林咲子さんどうしてるだろ、もう3か月もLINE無視して嫌われたかなって、不安になった、初めて人に会いたいと思った」
「遅くなってすみません、海外出張から戻ったので、またお会いできたら嬉しいです」(咲子)
「よく覚えてるね10年前のLINE」(充)
「覚えてるよ、嬉しくてスクショしたもん」(咲子)
幸せであるほど増す息苦しさ
充は、これまで2~3年に一度のペースで逃げていたのに、咲子と出会ってから10年間、一度も失踪しなかったことを振り返り、咲子が自分を10年間も同じ場所につなぎ止めてくれたと話す。
しかし、子どもを諦め治療をやめて家を買うことになり、初めて一軒家で暮らし始めた充は、家に足を踏み入れた瞬間「ここに一生2人きりで、もう逃げられない」と感じた。
咲子との生活が嫌なわけではないのに、バスや電車をわざと乗り間違えて知らない場所へ行こうとするなど、再び逃げたい衝動あり怖くなった。2人きりで一生同じ場所でと、考えれば考えるほど幸せで息が詰まった。
「説明されても意味わかんないよね、さっちゃんが嫌いなわけじゃないって言ったところで、他に好きな人がいるって意味だって疑われるし。いつも突発的で、明日にしようとかそういうのもない。あの日もそう。サービスエリアで今だこのまま消えようって。バスが事故に遭うなんて思わなかったし、園田さんに甘えて一人で降りた。さっちゃんには分かってもらえないと思うけど」
咲子は充の過去や失踪の理由を理解し、すべて信じると伝えた上で
「それで?私はどうすればよかったの?どうすればすぐ帰って来てくれたの?」と尋ねた
「さっちゃんが悪かった事は一度もない、今まで出会ってきた人はみんないつか縁が切れる前提で付き合ってきたけど、さっちゃんが違ったから。どうしたらいいかわかんなくなった、一緒にいたいけどホントの俺はこんなだから、いつか嫌われていなくなるって…ずっと怖かった」(充)
「だったらその前に自分からいなくなろうって?」(咲子)
「そう考えるようになったけど、逃げずに済んでた」
「何で?」
「第3金曜日になれば、園田さんに会えたから」
ーー家であずさの日記を読む樹生
(2024年6月21日、金曜。タンス臭くなった夏物を一気に洗いたくて、近くのコインランドリーに行ってみた、そこで出会ったのが瀬尾さんだった)
「事故の1年くらい前、店のものまとめて洗濯しようと思って、近くのコインランドリーに行って、そこで出会ったのが園田さんだった」(充)
コインランドリーでの出会い
ーー充とあずさの出会い
コインランドリーで充は読書をして待っていると、そこにあずさがやって来て、あずさが洗濯機の操作方法を尋ねたことをきっかけに会話が始まった。

一旦話が途切れ、充に話しかけたそうにしていたあずさが「本、読んでます?」と声をかける。
「はい」(充)
「ですよね」(あずさ)
「話しかけていいかって事ですか?」(充)
「はい」(あずさ)
「暇つぶしで読んでるんで、別に」
「えっ、じゃあ話し相手になってもらえます?」
「自分の終わるまでなら」
「ありがとうございます、えっどうしよ、何話そう」と、あずさは嬉しそうに話し始めた。
(園田さんは変な人だった、会話する必要のない初対面の人とわざわざ話したがる。意味がわからなかった)(充)
あずさは、夫には話せないような内容がいいと前置きし、白い無地のTシャツにいくらまでお金をかけられるかと充に聞いた。
充が3,000円くらいと答えると、あずさは夫が白Tに15,000円まで出せる人だが、どう思うかと返す。
充は家計を圧迫していないならどこにお金をかけるかは自由で、夫の好みを尊重すればいいと気を使う。
「いやいや、いいですいいです、これ雑談なんで。会社とか学校じゃないんだから本音ください、う~ん多分私たちもう会わないし極端な話嫌われたっていいじゃないですか。私に嫌われてダメージあります?」(あずさ)
「ないです」
「でしょ?だから好きなんですよ、自分の人生に関係ない人と話すの」
すると充は「15,000円は高い」と答え、あずさはやっぱりそう思うでしょと笑った。
(園田さんはやっぱり変な人だった。頭に浮かんだことがそのまま口から出てしまうような、まるで自分とは違う生き物だった)(充)
(瀬尾さんは変な人だった、私のどうでもいい話を真面目に聞いてくれるけど、話す言葉は全部ウソみたいだった)(あずさ)
あずさは、樹生の唯一の趣味である散歩も金もかからず健康的で、息子の翔を公園に連れて行ってくれると続ける
(旦那さんの愚痴かと聞いていても必ずのろけ話に着地した。ホントに旦那さんのことが好きで仕方ないんだと思う)(充)
家族への思いと罪悪感
金曜が定休日の充と、金曜に仕事が休みになるあずさは、家族と離れて過ごす時間について話をする。
あずさは夫の樹生や息子の翔と一緒にいる時間が大好きでありながら、2人が会社や保育園に行っている間、一人になれる時間も好きで。充も妻の咲子と一緒にいたいし一緒にいて楽しいのに、ずっと一緒にいると苦しくなるため、定休日を変えたくないと打ち明ける。
「え?何でそんな罪悪感みたいな顔?奥さんにそう思うのなんて普通ですよ、私、夫にだけじゃなくて子供にも思うんだから。時々離れたいな~って、こんなに大好きでも」(あずさ)
「そういうもんですかね?」(充)
「です」(あずさ)
「そっか…親になるってどんな感じですか?」(充)
あずさは生まれた直後に親に捨てられ、高校卒業まで施設で育ったこと。充も、親はいるものの子どもに無関心な人達だったと、互いの境遇を語り合う。
あずさは施設では子どもが大人に構ってもらえる時間が少なく、話を聞いてほしいときには、絵本を寄付しに来る本屋の店主に話しかけていた。
「そちらは?聞かせてくださいよ身の上話、話すことぐらい聞くのも好きなんで、他人の人生」(あずさ)
充は育った環境の影響なのか、突発的にその場から逃げ出すことを繰り返してしまう「失踪癖」があると話し、あずさは「一番厄介な癖ですね」と受け止めた。
(誰にも話してないことを一気に話した。親のこと、逃げたくなる衝動のこと、常にいい人を演じてその場限りの関係を築いては逃げて縁を切って、またつないで逃げてって、繰り返してきたこと)(充)
理解し合える「関係のない他人」
ーー乾燥が終了したので帰ろうとする充
あずさは「本当に乾燥が終わったから話も終わり?」と引き止め、まだ自分の乾燥は終わっていないから話してくださいとお願いする。
(そのまま園田さんの乾燥を待つ間も話した、時々茶々を入れたり、大げさに驚いたり、笑ったりしながら聞いてくれた。でもありえないとか、それはよくないとか、そういうことは一度も言わなかった)(充)
「もう直ったって事ですか?失踪癖」(あずさ)
「この10年は、さっちゃんがいるんで」(充)
「またのろけ話か」
「でも直ってはない感じが」
「まだ逃げたくはなるんですね?」
「はい」
ーーコインランドリーの帰り、2人で歩く充とあずさ
自宅前で「あ、うち、ここなんで」と、別れようとする充に、あずさは「次いつ行きます?私の身の上話、いつ聞いてくれます?」と尋ねる。
「…じゃあ来月、第3金曜日」(充)
「了解です」(あずさ)
ーー充と咲子
「それから毎月第3金曜日、洗濯乾燥が終わるまでの時間、園田さんと話した。何でも話せるのは、園田さんは自分の人生に関係のない他人で、嫌われてもいいから」(充)
あずさの日記には、充のことを理解できるのは自分だけかもしれないという思いが綴られていた。
(この先一生、一緒に居続ける人達から距離を取る時間、それでいてその人たちといられる幸せを再確認する時間。ちょっと離れたいと思うくせに、私たちは暮らしている人の話ばかりした。私にとっては月に1回、ただ話を聞いてくれる人、それがよかった。
悪いことはしてないけど、樹生に瀬尾さんのことは話しにくい。私と瀬尾さんの関係を理解してもらえる自信がない)
樹生はそんなあずさの日記を読んでいた。
「嫌われたくない人」と「嫌われてもいい人」
ーー咲子と充
充は咲子とは「言いたくないことは言わなくていい」と決めた関係が心地よかった一方、あずさは嫌われてもいい相手だから何を話してもよかった。
咲子に言えなかったのは、どう話しても嫌な気持ちにさせるし疑われる。分かってもらえる自信がなかったからだと説明する。
「もういい分かった」(咲子)
咲子は自分は「嫌われたくない人」で、あずさは「嫌われてもいい人」なのだと理解する。
「汚したくなくて、一番お気に入りの服なのに全然着てないみたいなこと?思いっきりミートソース飛ばしながら、おいしいねって一緒にパスタ食べる方が家族って感じするけどな。汚れたら洗えばいいじゃん。私洗濯苦手だけど、シミ抜きは得意だよ」(咲子)
「わかってる」(充)
「シミ抜き得意なこと?」(咲子)
「ちょっとずつ間違ってたこと…汚れる前に捨てて新しいの買って。そうやって生きてきちゃったから、汚したくないし捨てたくないってなったら…どうしていいか分かんなかった」(充)

充の話を聞いていた咲子は思わず家を出ようとするが、充が「待って」と引き止める。
「待って?それはズルいって、そっちばっか!私だって自分の意志でここから離れたいときあるよ、数秒か1年かわかんないけど。全然自分の人生に関係ない人じゃないよ、親に会うのに連れてくって」(咲子)
「今出てってどこ行くの?園田さんの旦那さんのとこ?」(充)
「だったら?行かないでって言える?」
充は何も答えられず、咲子はそのまま家を出て行った。
1日だけのプチ失踪
ーー2025年6月21日、長野行きのバスに乗ろうとしていた充の前にあずさが現れた
「おはようございます、よかったですね晴れて、まあちょっと暑すぎますけどね」(あずさ)
「…何でいるんですか?」(充)
あずさは義妹に息子の翔を預けられるため、充について行きたいと話す。
充はあずさに関係ないことだと断るが、あずさは「関係ない人間なら迷惑をかけてもいい、充の失踪歴のことを聞いてたら自分もだんだん興味が湧いてきた」と続けた。
「ダメですよ失踪、絶対ダメです、家族に迷惑かけるんで」(充)
「あ~いやいや、しないですよマジな失踪は、私には夫と子供がいて帰る家があることが幸せなんで」(あずさ)
「だったらなおさら」(充)
「失踪癖直ってなさそうって…」(あずさ)
「はい」(充)

あずさは、失踪癖のある充のガス抜きになればと同行を改めて提案する。
「今日1日だけの失踪?」(充)
「です、失踪したことがバレる前に家に帰れば、失踪したことにはならないんです。おしゃべりが月1なんで、プチ失踪は半年に1回くらいでどうです?」(あずさ)
「いいですね、でも人によっては不倫だって言われそう」
「あ~う~ん、まあいいんじゃないですか?これぐらいの後ろめたさはあっても。月に1回しゃべってるだけでも、人によっては心の不倫だって騒ぐと思いますよ。どうせ理解されないなら、ちょっと不倫まがいなことしときましょうよ」
「…そうですねぇ」
(1日だけのバレない失踪、夜にはさっちゃんの待つ家に帰るつもりだった)
【本記事の画像引用元】
作品名:ドラマ『Tシャツが乾くまで』/ 放送・配信:TBS
備考:本記事の画像は作品の解説・紹介を目的として上記より引用し、加工を施して使用しております。


